YELL便り2021

2021年8月号 YELL便り 「健康保険法改正で傷病手当金の通算や育休中の社会保険料免除が変更に」

健康保険法改正で傷病手当金の通算や育休中の社会保険料免除が変更に

健康保険法改正で傷病手当金の通算や育休中の社会保険料免除が変更に

◆傷病手当金の支給期間の通算化(令和4年1月1日から施行)

傷病手当金は、業務外の事由による病気やケガの療養のために休業するときで、一定の要件に該当した場合に支給されるもので、支給期間は、支給が開始された日から最長1年6カ月です。
これは、1年6カ月分支給されるということではなく、1年6カ月の間に仕事に復帰した期間があり、その後再び同じ病気やケガにより仕事に就けなくなった場合でも、復帰期間も含めて1年6カ月に算入されます。
支給開始後1年6カ月を超えた場合は、仕事に就くことができない場合であっても、傷病手当金は支給されません。
今回の改正は、出勤に伴い不支給となった期間がある場合、その分の期間を延長して支給を受けられるように、支給期間の通算化を行うというものです(支給を始めた日から通算して1年6カ月支給)。
がん治療などで入退院を繰り返すなど、長期間にわたり療養のための休暇をとりながら働くケースなどがあることから、改正になりました。

◆任意継続被保険者制度の見直し(令和4年1月1日から施行)

任意継続被保険者制度は、健康保険の被保険者が、退職した後も選択によって引き続き最大2年間、退職前に加入していた健康保険の被保険者になることができる制度です。
保険料は全額被保険者負担(事業主負担なし)で、従前の標準報酬月額または、当該保険者の全被保険者の平均の標準報酬月額のうち、いずれか低い額に保険料率を乗じた額を負担します。
任意継続被保険者となった日から2年を経過したときや、保険料を納付期日までに納付しなかったとき、就職して健康保険などの被保険者資格を取得したとき、後期高齢者医療の被保険者資格を取得したとき、被保険者が死亡したときのいずれかに該当するときは、被保険者の資格を喪失します。
今回の改正は、任意継続被保険者の保険料の算定基礎の見直しや(健康保険組合が規約に定めた場合は、当該保険者の全被保険者の平均の標準報酬月額より従前の標準報酬月額が高い任意継続被保険者については、従前の標準報酬月額を保険料の算定基礎とすることができるようになる)、被保険者からの申請による資格喪失を可能とするというものです。

◆育児休業中の保険料の免除要件の見直し(令和4年10月1日から施行)

育児休業中の社会保険の保険料免除は現在、月の末日時点で育児休業をしている場合に、当該月の保険料(賞与保険料含む)が免除される仕組みです。
そのため例えば、月中に2週間の育休を取得したとしても、休業期間に月の末日を含まなければ免除の対象にはなりません。
今回の改正は、短期の育児休業の取得に対応して、育児休業期間に月末を含まない場合でも、月内に2週間以上の育児休業を取得した場合には当該月の保険料を免除するとともに、賞与に係る保険料については1カ月を超える育児休業を取得している場合に限り免除の対象とするというものです。

年休取得義務化で取得は進んでいるか~労働政策研究・研修機構調査から

独立法人労働政策研究・研修機構が、働き方改革関連法の施行に伴い、年次有給休暇(年休)取得に関する企業・労働者アンケートを行い、その結果を公表しました(調査期間:2020年1月27日~2月7日。企業17,000社、労働者71,796人を対象に実施し、回答は企業5,738票、労働者15,297票)。

◆計画的付与制度の導入企業は42.8%、取得目標を設定している企業は6割以上

企業調査の年休の計画的付与制度の導入状況では、「導入されている」とする企業割合は42.8%でした。
年休取得率や年休取得日数などの目標設定については、「年休取得日数の目標のみを設定している」が53.6%と半数以上を占め、「年休取得率の目標のみを設定している」が4.3%、「年休取得率及び取得日数双方について目標を設定している」が4.1%、「上記以外の目標を設定している」が0.9%となっている一方で、「何らの目標も設定していない」とする企業は34.9%ありました。

◆3年前と比べ取得日数が増えた企業とする労働者は41.5%

(詳細は割愛します。)

◆年5日の取得義務の認知度は、企業で95.5%、労働者では84.4%

(詳細は割愛します。)

◆時間単位年休の導入企業は22%、導入を求める労働者は5割以上

企業調査での時間単位年休取得制度の導入状況では、「導入している」が22.0%でした。
導入理由(複数回答)では、「日単位・半日単位に満たない時間の取得が可能で便利」(70.0%)がもっとも高く、次いで、「個人的な事情に対応した休暇取得が可能になる」(57.3%)、「年休の取得促進のため」(56.5%)、「育児、介護の支援」(49.0%)、「仕事と治療の両立支援」(42.1%)などとなっています。
一方、時間単位年休取得制度を導入していない理由(複数回答)は、「勤怠管理が煩雑になる」が50.3%ともっとも高く、次いで、「すでに半日単位の年休取得制度がある」(46.8%)、「給与計算が複雑になる」(39.3%)、「変形労働時間制等のため時間単位の代替要員確保困難」(31.4%)、「導入可能と不可能部署があり平等性から導入しづらい」(29.4%)などとなっています。
一方、労働者調査で時間単位年休取得制度が適用・導入されていない者(「わからない」を含む)に聞くと、勤務先での時間単位年休取得制度を「導入・適用してほしい」とする割合は50.6%となっています
 年休の取得促進については、5日間の取得義務化という法律の後押しがあって3年前と比べると全般的に進んでいるという結果が出ましたが、やはり会社が取得しやすい環境づくりを進めることが重要のようです。
とりわけ、時間単位の取得制度については会社側の事情から導入されていないケースが多い一方で、導入されていない企業の勤労者の半数以上が導入を望んでおり、有休の取得率アップや従業員の満足度向上のためにあらためて検討してみることも必要かもしれません。
【労働政策研究・研修機構「年次有給休暇の取得に関するアンケート調査」】
https://www.jil.go.jp/institute/research/2021/211.html?mm=1698

8月の税務と労務の手続提出期限

[提出先・納付先]

10日

  • 源泉徴収税額・住民税特別徴収税額の納付[郵便局または銀行]
  • 雇用保険被保険者資格取得届の提出<前月以降に採用した労働者がいる場合>[公共職業安定所]

31日

  • 個人事業税の納付<第1期分>[郵便局または銀行]
  • 個人の道府県民税・市町村民税の納付<第2期分>[郵便局または銀行]
  • 健保・厚年保険料の納付[郵便局または銀行]
  • 健康保険印紙受払等報告書の提出[年金事務所]
  • 労働保険印紙保険料納付・納付計器使用状況報告書の提出[公共職業安定所]
  • 外国人雇用状況の届出(雇用保険の被保険者でない場合)<雇入れ・離職の翌月末日>[公共職業安定所]