YELL便り2021

2021年9月号 YELL便り 「雇用保険の高年齢被保険者の特例とは?/失業『1年以上』が74万人―失業者全体の3割超」

雇用保険の高年齢被保険者の特例とは?/失業「1年以上」が74万人―失業者全体の3割超

雇用保険の高年齢被保険者の特例とは?

雇用保険法等の一部を改正する法律(令和2年法律第14号)により、高年齢被保険者の特例に関する規定が令和4年1月1日から施行されます。
それに伴い、令和3年7月21日に、「雇用保険法施行規則の一部を改正する省令(令和3年厚生労働省令第125号)」が公布されました。
以下で、高年齢被保険者の特例の概要について紹介いたします。

◆現行制度

雇用保険法(昭和49年法律第116号)6条1項1号において「1週間の所定労働時間が20時間未満である者」については、雇用保険法の適用除外となっています(1事業所で週所定労働時間が20時間以上の者は適用)。
複数の事業所で就労する場合は、それぞれの事業所ごとに適用要件を判断、労働時間は合算しません。

◆高年齢被保険者の特例とは

令和4年1月1日より、複数の事業主に雇用される65歳以上の労働者について、本人の申出を起点に、2つの事業所の労働時間を合算して、「週の所定労働時間が20時間以上である」ことを基準として雇用保険が適用されることになります。

◆制度の対象者(高年齢被保険者)となるための要件

要件は次のとおりです(雇用保険法37条の5第1項各号)。
① 2つ以上の事業主の適用事業に雇用される65歳以上の者
② 上記①のそれぞれ1つの事業主の適用事業における1週間の所定労働時間が20時間未満
③ 上記①のうち2つの事業主の適用事業(申出を行う労働者の1週間の所定労働時間が5時間以上であるものに限る)における1週間の所定労働時間の合計が20時間以上

◆高年齢被保険者の特例の申出

高年齢被保険者の特例の申出は、当該申出を行う者の氏名、性別、住所または居所および生年月日、当該申出に係る事業所の名称および所在地、当該申出に係る適用事業における1週間の所定労働時間などを記載した届書に労働契約に係る契約書、労働者名簿、賃金台帳等を添えて、管轄公共職業安定所の長に提出することによって行うものとされています。
公共職業安定所は申出の内容を確認し、本人および各事業所に通知します。なお、資格取得の場合は申出の日に被保険者の資格を取得します。

◆事業主の留意点

事業主は、高年齢被保険者の特例の申出を行おうとする者から当該申出を行うために必要な証明を求められたときは、速やかに証明しなければなりません。
また、事業主は、労働者が申出をしたことを理由として、労働者に対して解雇その他の不利益な取扱いをしてはなりません。

失業「1年以上」が74万人―失業者全体の3割超~総務省労働力調査

総務省が8月10日に発表した労働力調査(詳細集計)で、2021年4月~6月の失業者233万人のうち、仕事につけない期間が1年以上に及ぶ人が74万人と、3割以上を占めていることがわかりました。
新型コロナ禍で経済活動の抑制が続いていることが最大の要因とみられます。
以下、調査結果の概要をみていきましょう。

◆正規、非正規の職員・従業員数と「非正規」の理由

役員を除く雇用者5,615万人のうち、正規の職員・従業員は3,557万人、非正規の職員・従業員は2,058万人で、非正規の職員・従業員については四半期別で6期ぶりの増加となりました。
非正規の職員・従業員について、現職の雇用形態についた主な理由を男女別にみると、男女ともに「自分の都合のよい時間に働きたいから」が最も多く、男性は181万人と前年同期に比べ4万人の増加、女性は469万人と64万人の増加となっています。
一方、「正規の職員・従業員の仕事がないから」と消極的な理由を回答した男性は104万人と3万人の減少、女性では111万人と4万人の減少でした。

◆失業者数と仕事につけない理由

失業者は233万人と、前年同期に比べ19万人増加しています。
失業期間別にみると、失業期間が「3か月未満」の者は95万人と2万人の増加、「1年以上」の者は74万人と19万人の増加となりました。
失業者全体を仕事につけない理由別にみると、「希望する種類・内容の仕事がない」とした者が最も多い78万人と12万人の増加で、「求人の年齢と自分の年齢とがあわない」が26万人、「勤務時間・休日などが希望とあわない」が22万人でした。
また、「条件にこだわらないが仕事がない」とした者も16万人と、2万人の増加となっています。

◆前職の離職理由

失業者233万人のうち、離職した失業者は158万人と前年同期に比べ19万人の増加となりました。
これを前職の離職理由別にみると、 「定年又は雇用契約の満了のため」とした者が28万人、 「家事・通学・健康上の理由のため」とした者が25万人でしたが、「会社倒産・事業所閉鎖のため」が13万人、「人員整理・勧奨退職のため」が15万人、「事業不振や先行き不安のため」が8万人と、会社の業績悪化や倒産が原因とうかがわせる離職も増加傾向が続いています。
コロナ禍の先行きが見通せない中、我慢の続く企業も多いと思います。
ただ一方で、業績が好調または回復基調にある企業にとっては、積極的に人材を採用できる機会といえるかもしれません。
【参考】総務省「労働力調査(詳細集計)2021年(令和3年)4~6月期平均」PDF
https://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/4hanki/dt/pdf/gaiyou.pdf

9月の税務と労務の手続提出期限

[提出先・納付先]

10日

  • 源泉徴収税額・住民税特別徴収税額の納付[郵便局または銀行]
  • 雇用保険被保険者資格取得届の提出<前月以降に採用した労働者がいる場合>[公共職業安定所]

31日

  • 個人事業税の納付<第1期分>[郵便局または銀行]
  • 個人の道府県民税・市町村民税の納付<第2期分>[郵便局または銀行]
  • 健保・厚年保険料の納付[郵便局または銀行]
  • 健康保険印紙受払等報告書の提出[年金事務所]
  • 労働保険印紙保険料納付・納付計器使用状況報告書の提出[公共職業安定所]
  • 外国人雇用状況の届出(雇用保険の被保険者でない場合)<雇入れ・離職の翌月末日>[公共職業安定所]